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調査研究・プロジェクトの活動レポート

積雪深調査

 積雪期には毎年積雪深調査を実施して防風柵の効果や積雪状況を調べています。一年を通して強い風が吹き下ろす草地へは、ただ木を植えてもなかなか育ちません。特に冬は地表の雪が吹き飛ばされて木が風雪にさらされ枯れてしまいます。また、雪が少ないことからエゾシカが集まって餌場となり、木が踏みつけられてしまいます。

 運動地では風の強い草地で木を育てるために風を止め、雪をためる防風柵を設置しています。防風柵の効果で吹き溜まりが出来る場所では、雪が「布団」となって植樹したアカエゾマツを覆い、枯れずに残っています。これからも知床の厳しく複雑な自然の条件についてひとつひとつを学びながら、効果的な柵の高さや設置間隔などについて試行錯誤が続きます。

 

IMG_9936 - 雪をためる防風柵を2002年(平成14年)に6基設置し、エゾシカに食べられにくい4,200本の針葉樹の苗を植えました。現在までに10基の防風柵を設置しています。

 

IMGP4900 積雪深調査の様子です。2月中旬以降の積雪が最も多くなる時期に実施しています。

 

アカエゾマツ残存状況

↑アカエゾマツを植えた4年後の2006年には、4200本のうち1483本が残っていました。

 

防風柵周辺の積雪状況

↑色が濃いところほど、積雪が多い場所であることを表しています。