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100平方メートル運動って?
100平方メートル運動は、かつて乱開発の危機にあった知床国立公園内の開拓跡地を保全し、原生の森を復元する取り組みです。
斜里町は、知床国立公園内の開拓跡地の保全と原生林の再生を目指し、1977年に「しれとこ100平方メートル運動」の開始を発表、当時乱開発の危機にあった開拓跡地の買い取りに必要な寄付を募りました。この運動は全国から多くの賛同を得て、1997年にはのべ参加人数4万9千人、寄付金額は5億2千万円となり、2010年に100%の土地の買い取りをすることができました。この運動は現在「100平方メートル運動の森・トラスト」へと発展を遂げ、運動地に原生の森と、かつてそこに棲んでいた野生動物の営 みを取り戻し、生態系の再生を視野に入れた森づくりが続けられています。
1977年から始まった斜里町が推進するこの一連の活動を「しれとこ100平方メートル運動」と呼んでいます。

森づくりって、どのように行われているの?
森づくりは、「不変の原則」と呼ばれる森の憲法を柱とし、100年単位の長期的な目標と20年ごとの中期的な目標の達成に向けて、5年ごとの回帰作業を行っています。森づくり作業の方針や方向性は、動植物の専門家や地元の有識者で構成される森林再生専門委員会議の場で議論されています。
不変の原則
「不変の原則」は、100年、200年後を見据えた森づくりの方針を立案するための「森の憲法」です。
- 植林木の生長によって余剰の樹木が生じても、運動地への系外への人為的搬出は認めない。
- 自然に再生しつつある二次林では、森づくりの場合であっても大規模な森林構造の急変は行わない。
- 再生計画の実施にあたっては、国立公園及び自然教育の場としての位置付けに配慮した森づくりをすすめる。
- 5年一巡の回帰作業方式をとること。過去の作業の結果を評価するモニタリング調査を欠かさない。
- 業計画の立案や見直しは、定期的に開催する専門委員会議に諮り、承認を得なければならない。
- 野生生物とその営みの再生にあたっては、遺伝子汚染を防ぐこと。つまり、減少種の他地域からの安易な導入は行わない。現地の個体群からの増殖を原則とする。
長期全体目標(100年~200年後)
- 本来この地にあった原生の森を再生する。
- 本来的な野生生物群集と自然生態系の循環を再生する。
- トラスト資産としての運動地の適正な公開と保全のシステムを構築する。
中期目標期間中の方針
(20年ごとの中期的な方針 ※2017年まで)
- 作業の前後にモニタリング調査を行うとともに、放置区を設けて再評価と計画の見直しに備える。
- 急増したエゾシカへの対応には、生態系の調整能力の活用を基本とするが、植生への著しい影響が避けられない場合は、個体数調整も含めて検討する。※2007年改訂
- カラマツなど外来樹種については、森林再生の過程では活用するが、長期的には減少させる。

回帰作業方式
「不変の原則」に基づき、運動の森づくりは、運動地全体を5つの区画に分け、5年で一巡する回帰作業方式を取り入れています。この回帰作業が四巡した20年後に中期目標の確認を行い、さらに100~200年後の長期目標の達成を目指します。


運動はどのように支えられているの?
100平方メートル運動は、全国の個人、団体・企業の皆さまからの寄付金によって支えられています。また、寄付金だけではなく、森づくりに必要な資材を無償で提供していただいたり、週末のボランティアやイベントなどの現場で直接森づくりをお手伝いしていただいたりするなど、様々な形でご協力をいただいています。
この運動に賛同する個人によって構成されている100平方メートル運動推進本部関東・関西支部の皆様には運動の推進、拡大のために全国的な普及活動に尽力してくださっています。
